税務調査で推計課税を受けそうで、不安に感じていませんか?
推計課税は、実際の所得より高く課税される恐れがあり、中小企業や個人事業主にとって大きな脅威となります。しかし、日々の帳簿付けと適切な税務対策を怠らなければ、必要以上に恐れる必要はないのです。
もし税務調査で推計課税を受けそうになったら、まずは落ち着いて冷静に対応することが大切です。そして、格安で親身に対応してくれる税理士に相談し、最善の解決策を見出していくことが賢明でしょう。
この記事では、推計課税の仕組みと対策について、中小企業や個人事業主の視点から分かりやすく解説しています。推計課税のリスクを最小限に抑え、万が一の際にも適切に対応できるようになるための情報が満載です。
最後まで読めば、税務調査や推計課税に対する不安が解消され、自信を持って経営に専念できるようになるでしょう。ぜひ参考にして、万全の備えをしておきましょう。
推計課税とは︖
推計課税の定義と基礎知識
推計課税とは、税務調査の際に、帳簿書類等の資料が不十分な場合に、税務署長が一定の合理的な方法で所得金額等を推計して課税する制度のことをいいます。本来、所得税や法人税の申告は、帳簿書類等に基づいて正確に行われるべきですが、資料不足等の理由で実額計算が困難な場合に限り、この推計課税が適用されるのです。納税者にとっては、実際の所得よりも高く見積もられるリスクがあるため、できる限り帳簿書類を整えて実額課税を受けることが望ましいでしょう。しかし、何らかの事情で税務調査で推計課税の対象となってしまった場合は、その推計方法の合理性について確認し、必要に応じて不服申し立てを検討する必要があります。
推計課税の計算⽅法
⽐率法
比率法は、同業者の平均的な数値を用いて推計する方法です。例えば、売上高に対する仕入高や経費の割合(率)を同業他社の平均値で計算し、そこから所得を割り出すのが比率法です。この方法は、同業者との比較で、著しく割合が異なる場合に用いられることが多いようです。税務署の調査官は、国税庁のデータベースなどから、業種や地域、規模の類似した法人のデータを収集し、それを基に推計計算を行います。比率法は一般的によく使われる推計の手法ですが、同業他社との単純比較だけでは実態を反映しきれない場合もあるので注意が必要です。
効率法
効率法は、従業員1人あたりや設備1台あたりなど、一定の単位で算出した売上や利益の平均値を用いて、全体を推し量る方法です。飲食店であれば客単価と客数、美容室ならば客単価と施術回数など、業種に応じた指標を用いて計算します。この方法は、比率法のように同業他社との比較だけでなく、内部データに基づいて推計できるのが特徴です。ただし、この場合も、一般的な数値に基づいた計算のため、個別事情を十分に反映できないことがあります。効率法で推計された所得が、実際とかけ離れているようであれば、客観的な資料を示して、税務署に対して再考を求めることも必要でしょう。
税務調査で推計課税が⾏われるケース
推計課税が適⽤される条件
税務署が推計課税を適用するには、一定の要件を満たす必要があります。その要件とは、納税者が帳簿書類を備え付けていない、あるいは不備があるなどの理由で、所得金額等を実額で把握することが困難な場合です。つまり、適切な会計帳簿の記録がないために、正確な課税所得の計算ができない時に限って認められる措置と言えるでしょう。ただし、税務調査に協力的でない、必要な書類の提示を拒否するなどの場合にも、推計課税が行われることがあります。また、記帳に不備がある、帳簿と実際の取引内容に齟齬があるなど、税務署が帳簿の信憑性に疑義を抱けば、調査の結果、推計課税に至ることもあるのです。
帳簿書類がない場合に推計課税される
税務調査では、収入や経費の内容を証明する帳簿書類の提示を求められます。例えば、売上帳や仕入帳、請求書や領収書など、取引の裏付けとなる資料の提出が必要不可欠です。しかし、何らかの理由でそうした資料を紛失したり、不備があったりすると、実額計算に基づく申告ができなくなります。税務署としては、帳簿書類がない以上、申告内容の妥当性を確認しようがないため、推計課税を適用せざるを得ません。帳簿書類の保存は納税者の義務ですから、紛失などの言い訳は通用しないのです。日頃から帳簿をしっかりつけ、年度ごとに整理して保管しておくことが大切でしょう。青色申告を行っている方は特に、その点には気を付けたいものです。
税務調査を拒否すると推計課税リスク
税務署から税務調査の通知を受けたら、指定された日時に調査に応じる必要があります。この調査は、申告内容の適正性を確かめるための重要な手続きです。ところが、中には、調査を拒否したり、調査官の質問に答えなかったりする納税者もいるようです。しかし、そうした非協力的な態度は、かえって税務署の疑念を深めることになりかねません。もちろん、調査の必要性について説明を求めることは大切ですが、正当な理由なく調査を拒否することは得策ではありません。税務署としては、調査に応じてもらえない以上、納税者の申告には何らかの問題があると考えるのは自然の成り行きです。そのため、非協力的な対応は、推計課税のリスクを高めることに繋がるのです。
⻘⾊申告でも推計課税される場合
一般に、青色申告を行っている事業者に対しては、推計課税は認められていません。青色申告の最大のメリットは、正規の簿記の原則に従って帳簿を備え付け、申告していることで、税務署もその内容を信頼し、原則として帳簿に基づいて課税することになっているためです。しかし、すべての青色申告が推計課税の対象外になるわけではありません。例えば、帳簿書類に不備や偽りがある場合や、調査に非協力的で、必要な書類の提示を拒否する場合などは、青色申告の承認が取り消されることがあります。その場合、推計課税を適用されるリスクが生じるのです。このように、青色申告だからと言って安心せず、適正に帳簿を記録し、税務調査にもしっかりと対応することが肝要です。
推計課税のデメリットと注意点
推計課税で所得が過⼤計算のリスク
推計課税は、あくまでも間接的な資料に基づく概算計算です。そのため、実際の所得よりも過大に見積もられるリスクがあります。例えば、同業他社との比較で、売上高に対する経費の割合が低いと判断されれば、必要経費が十分に認められず、所得が大きく算定されてしまうかもしれません。また、内部データに基づく効率法の場合も、特殊な事情を考慮できないために、実態とかけ離れた計算になることもあり得ます。推計課税による所得金額が、明らかに合理性を欠いていると思われる場合は、確定申告書と実際の帳簿書類を比較するなどして、根拠を示して、税務署に再考を求めることも必要でしょう。ただし、そのためには、日頃からの帳簿の整備が不可欠であることは言うまでもありません。
推計課税では消費税の仕⼊税額控除不可
推計課税にはもう一つ、重大なデメリットがあります。それは、消費税の計算において、仕入税額控除が認められないことです。仕入税額控除とは、事業者が商品の仕入れ等で支払った消費税額を、売上げに係る消費税額から差し引くことで、実質的な税負担を調整する制度のことを指します。本来、正確な帳簿書類に基づいて計算された額が控除の対象となるのですが、推計課税の場合は、仕入れ等の実額が不明なため、この控除が適用されません。つまり、仕入税額控除前の消費税額をそのまま納税することになるのです。その結果、本来は控除されるはずだった消費税額の負担を強いられることになります。このように、推計課税は、所得税のみならず、消費税の面でもデメリットが大きいのです。
推計課税の裁決事例と判例
類似同業者の抽出に問題があった事例
推計課税は、同業者との比較に基づいて行われることが多いですが、その類似同業者の選定が適切でなかったために、課税処分が取り消された事例があります。この裁決事例では、税務署が選定した同業者の中に、請求人の事業とは業態や事業規模が大きく異なる者が含まれていたことが問題とされました。裁決所は、「原処分庁が設けた選定基準に該当しない事業者が一部含まれていた」と認定し、これらの者を同業者から除外した上で、改めて平均所得率を算出し直すべきだと判断したのです。この事例は、税務署による同業者の選定が、合理的な基準に基づいて慎重に行われる必要があることを示唆しています。
推計の基礎となる売上原価の認定に誤りがあるとされた事例
同業者比率法で推計する際の基礎となる売上原価の認定に誤りがあったとして、更正処分が一部取り消された事例もあります。この裁決事例で請求人は、税務署が売上原価に計上した金額の中に、接待交際費や家事費等の経費が含まれており、これらを売上原価から控除すべきだと主張しました。裁決所は、請求人の主張を認め、「推計の基礎数値の正確性を期すためには、同業者比率法による推計の基礎とした売上原価の額が合理的な根拠に基づいて算定される必要がある」と指摘しました。そして、税務署が算定した売上原価から、接待交際費等の金額を差し引くのが相当であるとして、処分を一部取り消したのです。
推計課税の必要性と合理性が認められた事例
一方で、税務署による推計課税の必要性と合理性が認められ、処分が維持された事例もあります。この裁決事例で請求人は、帳簿書類を提示しなかったのは調査態勢を整えなかった調査担当職員に責任があるなどと主張し、推計課税の必要性や合理性を争いました。しかし、裁決所は、調査経緯から見て、請求人が帳簿書類を提示しなかったために、税務署が已むを得ず推計課税に及んだと認定しました。その上で、「税務署が採用した推計方法については、同業者の抽出基準に合理性があり、また、平均所得率の算出に用いた資料の信頼性、抽出件数の合理性も認められる」として、推計課税の合理性を是認したのです。
中⼩企業・個⼈事業主の推計課税対策
帳簿書類の保管と記帳の重要性
中小企業や個人事業主が推計課税のリスクを回避するには、何よりも日頃からの適切な記帳と帳簿書類の保管が肝要です。前述のように、推計課税は、帳簿書類が不備であったり、提示を拒否したりした場合に適用されるのが一般的です。つまり、帳簿をきちんと付け、取引の内容を裏付ける請求書や領収書などを整理して保管しておけば、税務調査の際に実額に基づく所得計算を主張することが可能なのです。煩雑な作業に感じるかもしれませんが、こうした日々の心掛けが、いざというときの自分の身を守ることに繋がります。会計ソフトの活用や、専門家による指導を受けるなどして、適切な経理処理を習慣付けることをおすすめします。
⾚字でも帳簿をつけて証明
中小事業者の中には、「うちは赤字だから、帳簿を付ける必要はない」と考える方もいるかもしれません。確かに、所得税の確定申告は一定の所得がある場合に限って義務付けられていますから、そう思うのも無理はありません。しかし、税務調査は、赤字申告の場合でも入ることがあります。そして、赤字であることを帳簿で証明できなければ、税務署は実際は黒字であったと推測して、推計課税を適用するかもしれません。つまり、赤字だからこそ、きちんとした帳簿が必要なのです。もし実際の所得以上の額で課税されれば、本来は納税する必要のなかった税金を支払わされることになりかねません。また、帳簿が不十分だと、欠損金の繰越控除などの適用も受けられません。赤字でも、帳簿を付けることを怠らないようにしましょう。
無申告は絶対に避ける
税務署から見て最も疑念を抱かれるのが、無申告の場合です。所得があるにもかかわらず、確定申告を全くしないことは、税金を逃れる意図があると捉えられても仕方ありません。無申告が発覚した場合、無申告加算税が課されるだけでなく、場合によっては重加算税や刑事罰の対象にもなり得ます。それだけでなく、無申告は、推計課税を適用される格好の理由にもなります。申告がない以上、税務署としては実額に基づく課税ができないため、やむを得ず間接的な資料によって所得を推計せざるを得ないからです。このように、無申告は、推計課税のリスクを高めるだけでなく、ペナルティの面でもデメリットが大きいので、絶対に避けるべきでしょう。
税務調査での推計課税に不服時の対応
万一、税務調査の結果、推計課税を適用され、その内容に不服がある場合は、「更正の請求」という制度を利用して、異議を申し立てることができます。更正の請求とは、税務署の処分に不服がある場合に、その見直しを求める手続きのことです。この際に大切なのは、推計による所得額が不当であることを、客観的な証拠に基づいて主張することです。具体的には、帳簿や帳簿書類を整理して提出し、実額計算に基づく所得額を示すことが必要でしょう。また、税務署による推計の基礎となった数値の誤りや、比較対象とした同業者の選定基準の不合理性などを指摘することも有効かもしれません。ただし、こうした不服申立ては、専門的な知識が必要となるため、税理士など専門家の助言を求めることをおすすめします。
税務調査や推計課税の相談先
税理⼠に相談して適切な税務対策を
税務調査や推計課税への適切な対応には、税務の専門知識が欠かせません。特に、同業者との比較で推計課税が行われる場合など、業界の実情に精通していることも重要です。そこで頼りになるのが、税理士の存在です。税理士は、税金に関する高度な知識と豊富な実務経験を持つ専門家です。日頃から税理士と顧問契約を結んでおけば、記帳の指導から税務調査の立ち会いまで、様々な場面で的確なアドバイスを受けられます。また、税理士に相談することで、無用なトラブルを未然に防いだり、節税の方法を提案してもらったりすることも可能です。税金の問題は、早めの対策が何より大切です。経営者の皆様には、信頼できる税理士を見つけ、日頃から相談できる関係を築いておくことをおすすめします。
国税不服審判所での審査請求の検討
税務署の更正処分に不服があり、かつ、税務署長に対する再調査の請求でも解決しない場合は、国税不服審判所に審査請求を行うことを検討してみるのも一案です。国税不服審判所は、税務署とは独立した第三者機関で、税務署の処分の適否を公平な立場から判断してくれます。審査請求の手続きは、原処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、国税不服審判所長に対して行います。ただし、審査請求を行うためには、原処分の根拠となった事実認定や法令解釈の誤りを、具体的な証拠に基づいて主張立証する必要があります。単に「推計課税は不当だ」と訴えるだけでは、請求が認められる可能性は低いでしょう。そのため、審査請求を検討する際にも、税理士など専門家の助言を受けることが賢明だと言えます。
以上、推計課税の仕組みと対策について解説してきました。税務調査や推計課税は、中小企業や個人事業主にとって大きな脅威になり得ます。しかし、日頃からの帳簿の整備と、適切な税務対策を怠らなければ、必要以上に恐れる必要はありません。もし税務調査で推計課税を受けそうになったら、まずは落ち着いて、冷静に対応することが肝心です。そして、税理士など専門家とよく相談し、最善の解決策を見出していくことが大切でしょう。格安な報酬で親身な対応をしてくれる税理士は、きっと強い味方になってくれるはずです。経営者の皆様には、この記事を参考に、万全の備えをしていただければと思います。
税務調査と推計課税のまとめ
税務調査で推計課税を受けるのは、中小企業や個人事業主にとって大きな脅威です。でも、日頃からきちんと帳簿をつけて、税務対策を怠らなければ、必要以上に恐れることはありません。
もし税務調査で推計課税を受けそうになったら、まずは落ち着いて冷静に対応することが肝心です。そして、格安で親身になってくれる税理士に相談して、一緒に最善の解決策を探るのが賢明でしょう。
税務調査や推計課税への対策は、早めの準備が何より大切です。この記事を参考に、しっかりと備えをしておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 推計課税とは | 帳簿書類等の不備で実額計算が困難な場合に、一定の合理的な方法で所得金額等を推計して課税する制度 |
| 推計課税が行われるケース | 帳簿書類がない、税務調査を拒否した場合など |
| 推計課税のデメリット | 実際より高い所得で課税される可能性、消費税の仕入税額控除が受けられないなど |
| 推計課税の対策 | 日頃の記帳と帳簿書類の保管、赤字でも帳簿をつける、無申告は避けるなど |
| 税務調査の相談先 | 格安で親身に対応してくれる税理士に相談するのがおすすめ |
