「株式会社を設立したのに、なぜ資本金を増やさないの?」
会社設立時に決めた資本金の金額、そのままでいいのかな?と不安に思っているあなた。
資本金を増やすメリットもあるけれど、実は増やさない方がいい理由もあるんです。
でも、いったいどんな理由があるのでしょうか?
増資しないことで、かえって損をしてしまうことはないの?
資本金を増やさずに会社の信用力を高める方法はあるの?
こんな疑問や悩みを抱えているあなたに、この記事ではズバリお答えします。
資本金を増やさない中小企業の実態から、増資しないメリットとデメリット、信用力を高める経営術まで、わかりやすく解説します。
あなたの会社にとって最適な資本政策が見えてくるはずです。
ぜひ最後まで読んで、自社の成長戦略に役立ててくださいね。
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会社の資本金を増やさない理由と注意点
そもそも資本金とは
資本金とは、会社が事業を行うために必要な資金を株主から調達し、それを会社の元手とするものです。会社法上は株主からの出資額と定義されており、会社の信用力や対外的な評価を示す指標の一つとして重要な役割を持っています。
株主が払い込んだ資本金は、会社の財産となり事業活動に使われます。また、資本金は返済義務のない資金であるため、金融機関からの借入れなどとは異なり、会社の自己資本を構成する要素となります。
ただし、資本金は会社設立時に定款で定めた額であり、必ずしも会社が保有する現金や預金の額と一致するわけではありません。資本金は、あくまでも株主からの出資額を表す会計上の概念なのです。
増資のメリット
増資には、会社の信用力を高め、事業拡大の原資を確保できるなどのメリットがあります。資本金が多いほど、取引先や金融機関からの信頼を得やすくなるでしょう。
また、増資によって自己資本比率が向上すれば、金融機関からの借入れがしやすくなったり、より有利な条件で資金調達ができたりするかもしれません。新株発行による増資は、会社の成長性に投資家が期待している証であり、会社の評価を高める効果も期待できます。
加えて、増資で得た資金を設備投資や研究開発、人材確保などに充てることで、事業の拡大や競争力の強化につなげることができるでしょう。資本金を増やすことは、会社の成長戦略の一環として検討に値するのです。
増資のデメリット
しかし、増資にはデメリットもあります。まず、新株発行による増資は、既存株主の株式保有比率を低下させてしまいます。株主総会で増資の決議を得る必要がありますが、経営権に影響が出る場合は株主の反対にあう可能性もあるのです。
また、資本金が増えると、法人税や登録免許税などの税負担が増える傾向にあります。資本金の額によって、会社が適用を受けられる税制優遇措置が異なるため、増資によってかえって税負担が重くなるケースもあるでしょう。
加えて、増資手続きにはコストと時間がかかります。公認会計士や弁護士などの専門家に依頼する必要があったり、裁判所での検査役の調査を受けなければならなかったりと、増資を実施するためのハードルは高いのです。
適正な資本金額の決め方
会社にとって適正な資本金の額は、事業内容や規模、成長戦略などを踏まえて総合的に判断する必要があります。まずは事業に必要な初期投資額や運転資金を試算し、その事業リスクを勘案した上で必要資金を見積もることが重要でしょう。
また、同業他社の資本金額を参考にするのもよいかもしれません。ただし、自社の経営状況に合わせて調整することが大切です。借入金などの負債と資本金のバランスにも注意が必要となります。
さらに、取引先や顧客、投資家にどのように見られたいかという点も考慮に入れると良いでしょう。信用力の面から業界の中で遜色ない水準の資本金が求められる場合もあるでしょうし、逆に資本金の額にはこだわらず事業の中身を評価してもらえる業態であれば、資本金は低めに抑えることもできるでしょう。
増資なしで事業を成長させる方法
資本金を増やさずに事業成長を目指すには、キャッシュフロー経営が重要になります。つまり、利益を着実に積み上げ内部留保を厚くしていくことで、自己資本を充実させていくのです。
そのためには、コストマネジメントを徹底し、利益率の高い事業に経営資源を集中させることが有効でしょう。在庫管理の最適化や業務の効率化、付加価値の高い商品・サービスの開発などにも取り組みたいものです。
また、金融機関との良好な関係を築き、運転資金の調達力を高めておくことも大切です。資本金が少なくても、安定した事業基盤があれば、金融機関は融資に前向きになってくれるはずです。情報開示を積極的に行い、経営の透明性を高めることが信頼獲得につながるでしょう。
資本金以外の重要な経営指標
資本金の額だけが会社の価値を決めるわけではありません。投資家や取引先は、自己資本比率や利益率、キャッシュフローなどの経営指標をよりどころにする場合が多いでしょう。
中でも重要なのが自己資本比率です。総資産に占める自己資本の割合を示すこの指標は、会社の財務の安全性を測る物差しとなります。自己資本比率が高ければ、たとえ多額の損失が発生しても倒産リスクは低いと判断されるでしょう。
また、売上高営業利益率や売上高経常利益率など、収益性を表す利益率も重視されます。高い利益率は、その会社が効率的で競争力のある事業を展開している証ですから。キャッシュフローの状況も、会社の資金繰りの健全性を示す重要な指標と言えます。
資本政策と経営戦略の関係
会社の資本政策は、経営戦略と密接に関わっています。つまり、どのような事業を展開し、どう成長させていくのかというビジョンに基づいて、資本政策の方向性を定めるべきなのです。
例えば、M&Aによる事業拡大を目指すのであれば、株式交換による買収資金の調達が必要になるかもしれません。あるいは、海外進出を計画しているなら、現地通貨建ての増資を検討する必要があるでしょう。
また、株主還元の方針も重要な経営戦略の一つです。内部留保を厚くして将来の投資に備えるのか、利益を配当に回すことで株主の満足度を高めるのか。資本政策はそうした経営判断と表裏一体なのです。
資本金の額を決める際も、中長期的な事業の方向性を見据えなければなりません。安易に資本金を増やしたり減らしたりするのではなく、持続的な企業価値の向上につながる戦略的な資本政策が求められているのです。
資本金を増やさない中小企業の実態
中小企業の平均的資本金額
中小企業の資本金額は、業種や規模によってかなりのバラつきがあります。しかし、中小企業庁の調査によると、中小企業の平均資本金額は約2,400万円となっています。
ただし、この数字はあくまでも平均値であり、中には資本金が1,000万円に満たない企業も多く存在します。特に、個人事業から法人成りしたばかりの小規模企業の場合、資本金を100万円程度に設定しているケースが少なくありません。
他方、業歴が長く事業規模が大きい中小企業になると、数千万円から1億円近い資本金を有しているところもあります。設備投資などに多額の資金を要する製造業などでは、比較的資本金が大きくなる傾向にあるようです。
資本金300万円未満企業の割合
国税庁の統計によると、資本金300万円未満の企業は、全法人数の約半数を占めています。つまり、中小企業の約2社に1社は資本金300万円に満たないということになります。
資本金300万円未満の設定は、税制面でのメリットを狙ったものと考えられます。資本金が1,000万円以上になると、設立後5年間は外形標準課税が免除されるなどの優遇措置を受けられますが、小規模な中小企業にとっては、むしろ資本金を低く抑えた方が税負担を軽減できるメリットの方が大きいのでしょう。
ただし、資本金が300万円に満たないと、取引先から信用力の低い会社と見られてしまう恐れもあります。事業の成長段階に合わせて、徐々に増資を検討していく必要があるかもしれません。
資本金を抑えることのメリット
中小企業が資本金を抑えることには、いくつかのメリットがあります。まず、税負担を軽減できることが挙げられるでしょう。法人税率や法人事業税率は資本金の額に応じて変わるため、資本金が小さいほど税金は安くなります。
また、登録免許税や特許料なども資本金に連動して決まるため、資本金が低ければその分費用が抑えられます。株主総会の招集通知など、株主向け書類の発送コストも資本金が小さい方が低く済むでしょう。
加えて、経営の自由度を高められる点もメリットと言えます。資本金が小さければ株主数も限られるため、株主総会の運営もスムーズに行えるはずです。大株主の意向に振り回されることなく、経営者の裁量で機動的な意思決定ができるでしょう。
資本金を抑えることのデメリット
一方で、資本金を低く抑えることによるデメリットもあります。まずは信用力の問題です。取引先や金融機関は、資本金の額を会社の信頼性を測る指標の一つとしているため、資本金が小さいと信用リスクが高いと判断されかねません。
また、入札参加や登録業者の申請の際に、資本金が一定額以上であることを求められるケースがあります。資本金が少ないと、受注機会を逸してしまう可能性もあるでしょう。
加えて、増資による資金調達力が弱くなるのもデメリットと言えます。事業拡大に必要な資金を増資で賄おうとしても、低い資本金では十分な額を集められないかもしれません。結果として、事業の成長が鈍化してしまうリスクがあるのです。
業種別最低資本金の基準
業種によっては、事業を営むために最低限の資本金が定められている場合があります。例えば、旅行業では一般旅行業者で5,000万円、国内旅行業者で500万円、通信販売旅行業者で1,000万円が必要です。
また、貸金業の登録には5,000万円以上の資本金が求められますし、古物商の許可申請でも100万円以上の資本金が必要とされています。建設業の許可を取得するには、個人事業で250万円以上、法人なら500万円以上の資本金が必要になります。
こうした業種では、必要最低限の資本金を確保しないと、そもそも事業を開始することすらできません。中小企業が参入を検討する際は、業種ごとに定められた最低資本金の基準を確認することが不可欠と言えるでしょう。
融資審査での資本金の位置づけ
中小企業が金融機関から融資を受ける際、資本金の額は審査のポイントの一つとなります。資本金が大きいほど、会社の支払い能力が高いと判断されるためです。
特に、日本政策金融公庫の場合、融資額の9倍以上の資本金があることを原則としています。つまり、1,000万円の融資を受けるには9,000万円以上の資本金が必要ということです。
ただし、民間の金融機関では資本金の絶対額よりも、自己資本比率を重視するところが多いようです。総資産に占める資本金の割合が高ければ、たとえ資本金の額が少なくても、健全な財務体質だと評価されるわけです。
中小企業がスムーズに融資を受けるには、資本金だけでなく、内部留保の蓄積や収益力の強化に努め、自己資本比率を高める経営努力が求められていると言えるでしょう。
資本金を増やさずに信用力を高める経営術
自己資本比率を高める重要性
資本金を増やさずに会社の信用力を高めるには、自己資本比率を上げることが有効です。自己資本比率は、会社の資金調達の安全性を示す指標であり、この数値が高いほど、金融機関や取引先から財務の健全性を評価されやすくなります。
自己資本比率を高めるには、利益を着実に積み上げ内部留保を厚くすることが重要です。そのためには、売上高営業利益率を高水準で維持し、コストコントロールを徹底することが求められるでしょう。
加えて、資本金以外の剰余金や利益準備金なども自己資本に含まれるため、これらを積み増していくことも自己資本比率の向上につながります。中長期的な視点で、財務体質の改善に取り組む必要があるのです。
高収益事業モデルの構築
信用力を高めるもう一つの方法は、高い収益力を実現する事業モデルを構築することです。安定的に利益を生み出せる会社は、取引先からの信頼も厚くなるものです。
高収益を可能にするのは、競合他社にはない独自の強みです。技術力や販売ルートの独自性から生まれる競争力を武器に、高い利益率を実現することが求められます。同業者との差別化を図り、付加価値の高い商品・サービスを開発することが重要だと言えるでしょう。
また、成長市場を的確に捉え、需要の高い分野に経営資源を集中させることも収益力アップにつながります。市場動向を見極める洞察力と、スピーディな意思決定が求められます。
取引先との強固な関係構築
取引先との良好な関係を築くことも、会社の信用力を高めることにつながります。長年の取引によって信頼関係が醸成されれば、多少の財務指標の悪化があっても、取引先は支援の手を差し伸べてくれるはずです。
取引先との関係強化には、コミュニケーションを密にとることが何より大切です。日頃から情報交換を欠かさず、相手のニーズを探ることが重要でしょう。時には、自社の経営方針や財務状況についても積極的に開示し、共感と理解を得ることが信頼関係の構築につながります。
また、取引先との共同事業や協業などにも積極的に取り組みたいものです。WIN-WINの関係が築ければ、取引先との結び付きはさらに強固なものになるはずです。
優秀な人材の確保と育成
会社の信用力を支えるのは「人」である、と言っても過言ではありません。優秀な人材を確保し育成することは、会社の将来への投資と言えるでしょう。
まずは、優れた能力と意欲を持つ人材を見極め、採用することが重要です。単なるスキルだけでなく、会社の理念に共感し、主体的に行動できる人物を選ぶことが求められます。
加えて、継続的な教育研修により、社員の能力開発を図ることも欠かせません。OJTを通じた実践的なスキルの習得に加え、Off-JTによる体系的な知識の習得も必要でしょう。社員の自己啓発の意欲を引き出すことも重要です。
さらに、公正な評価と処遇によって、社員のモチベーションを高めることも大切です。能力と実績に基づく昇進・昇格の仕組みを整備し、社員のキャリア形成を支援することが求められます。
知的資産経営の実践
中小企業の強みの源泉は、技術力やノウハウ、ブランド力などの目に見えない資産である場合が少なくありません。こうした「知的資産」を活用する経営手法は、知的資産経営と呼ばれています。
知的資産経営では、自社の強みとなる知的資産を棚卸しし、その価値を最大限に引き出すことを目指します。知的資産の可視化により、自社の競争力の源泉を明確にすることができるのです。
また、知的資産を経営戦略に落とし込み、事業の選択と集中を図ることも重要です。自社の強みを活かせる分野に注力し、他社にはない価値を提供することが求められます。
さらに、知的資産を保護・管理する体制を整備することも欠かせません。特許の取得や営業秘密の管理を徹底することで、競争優位性を維持することができるはずです。
ステークホルダーとのコミュニケーション
会社の信用力は、ステークホルダー(利害関係者)からの評価によって決まると言っても過言ではありません。株主や従業員、取引先、地域社会など、様々なステークホルダーとのコミュニケーションを図ることが重要です。
例えば、株主に対しては、決算説明会の開催やIR資料の充実によって、経営の透明性を高めることが求められます。従業員とは日頃から対話を重ね、会社の将来像を共有することが大切でしょう。
また、取引先に対しては、品質や納期を守ることはもちろん、SDGsへの取り組みなど、社会的責任を果たす姿勢を示すことも重要です。地域社会とも、イベントへの参加や寄付活動などを通じて、良好な関係を築くことが求められます。
ステークホルダーからの理解と信頼を得ることで、会社は社会的な認知度を高め、ブランド力を向上させることができるはずです。資本金の額だけでは測れない、会社の真の信用力を高めることにつながるのです。
資本金を増やさない理由と格安で起業をサポートする税理士のまとめ
会社の信用力を高めるために資本金を増やすことも大切ですが、中小企業が資本金を増やさない理由もたくさんあります。
税負担が重くなることや、経営の自由度が下がってしまうことなどから、むしろ資本金を抑えている企業が少なくないのです。
でも、資本金が少なくても、自己資本比率を高めたり、収益力を強化したりすることで、会社の信用力を上げることができます。
ほかにも、取引先との関係づくりや、優秀な人材の確保・育成、知的資産経営の実践など、様々な経営術があります。
自社の状況に合った最適な資本政策を選択することが何より重要ですね。
起業の際は、格安で起業をサポートしてくれる優秀な税理士を見つけることも、とても役立つはずです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資本金とは | 会社の信用力や対外的な評価を示す指標の一つ。株主からの出資額。 |
| 増資のメリット | 信用力向上、融資が受けやすくなる、事業拡大の原資に。 |
| 増資のデメリット | 既存株主の持分減少、税負担増、増資手続きのコスト・時間。 |
| 適正な資本金額 | 事業リスクを踏まえた必要資金を試算。同業他社の額も参考に。 |
| 増資なしの成長法 | キャッシュフロー経営、利益率向上、金融機関との関係構築。 |
| 信用力の指標 | 自己資本比率、利益率、キャッシュフローなど。資本金だけでは測れない。 |
| 資本政策と経営戦略 | M&A、海外進出、株主還元など経営戦略と資本政策は表裏一体。 |
| 中小企業の実態 | 平均2,400万円。半数は300万円未満。税制面のメリット狙う。 |
| 最低資本金基準 | 旅行業5,000万円、貸金業5,000万円、建設業500万円など業種で異なる。 |
| 信用力を高める経営術 | 自己資本比率向上、高収益事業、取引先との関係、人材育成、知的資産経営、ステークホルダーとの対話など。 |
